<この作品 私の心・技・体> ① ある機会において、私は、写真によって心の内面を表現する場合、色でごまかすことができないモノクロ写真を使っているという趣旨をコメントしたところ、関係の方から、「カラーでしか表現出来ない心の内面もまた存在するのではないか。」とのご意見をいただきました。
② 確かにそのとおりであって、私自身、心の内面を表現する場合、モノクロで表現することに限定しておらず、カラーで表現することもあります。 例えば、今回の写真の場合、干潟をモチーフとして私のこころの襞を表現しました。これはカラーの方がインパクトがあると考え、そうしました。 写真の奥の真っ赤な夕陽は、光を海面や干潟に広く照らしていますが、干潟の窪みは影になっています。つまり、干潟の表面には光と影の対比が見て取れます。 ひとの心には影(陰)があります。私の場合は、それは言葉で表現できないばかりか、他者には決して口に出すことのできない、きたなく、みにくいものであって、心の奥に留めざるを得ないものです。