作品 「紅顔白骨之景」 <撮影場所・撮影日時> 唐津市厳木町・2014年11月19日17時頃 <撮影データ> Nikon D810・AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRⅡ 絞り優先AE・f8・SS 1/30・ISO100・HUSKY三段 KIRK Model
<この作品 私の心・技・体> ① 作品名の「紅顔白骨」とは、朝(あした)には紅顔(こうがん)ありて夕(ゆう)べには白骨(はっこつ)となるという意味です。一言でいえば、人はいつ死ぬか予測できない、次の瞬間に死ぬかもしれないなどこの世は無常という意に通じます。 私は、浄土宗の信徒ですが、従前から浄土真宗のお教文の中に「紅顔白骨」という内容があることを知っていました。今回、あらためてネットで確認したところ、浄土真宗本願寺八世蓮如が撰述した御文の5帖目第16通にあるということでした。
② この写真は、5年前、唐津市厳木(きゅうらぎ)町に在る環境芸術の森というところで撮影したものです。 ここでこの光景をみて直ぐに「紅顔白骨」の文言、つまり、赤いモミジの葉は血液、そして白いモチの木の枝・幹は白骨に疑似化し、作品化できると感じ、背景に暗部が出るよう夕刻まで待って撮影しました。
③ 私自身は、無常観を表現したこの写真がとても気に入り、何度見ても飽きなかったので公募展に応募しましたが、結果は落選でした。 講評が行われたので、審査員の方におたずねしたところ、「写真が二分されている。」とのお答えでした。 私は、返す言葉がなく、固まってしまいましたが、ようやく「あの~ 二分しているのですが。」と声を絞り出しました。もしかすると、審査員の方から作品名を見てもらえなかったかもしれないと感じました。 でも、結局は、自分の表現を伝えることができる写真を撮れなかった私が未熟なことにつきます。